海運業界No.1!配当利回り16%超、”日本郵船”

更新日:2023年3月14日

脅威の配当利回り15%超、日本郵船は優良高配当株なのかを8つの要素を用いて調査していきます。

着目する「8つの要素」とは?

  1. 配当利回り
    株式の購入金額に対して年間で受け取ることのできる配当金を表す数値
  2. 増配回数・減配回数
    増配とは前年と比較して配当金が増えることであり、減配とは前年と比較して配当金が減ること
  3. 売上高
    企業が商品やサービスを提供して得られる売上合計金額
  4. EPS
    1株あたり純利益
  5. 営業利益率
    本業がどれくらい効率的に利益を出しているのか知るための指標
  6. 自己資本比率
    企業の持つ総資本のうち純資産が占める割合
  7. 営業活動CF
    本業による収入と支出の差額
  8. 現金等
    現金や換金性の高い資産をどれだけ持っているのかを表す指標

※本記事は作者の頭の整理ならびに情報提供を目的としており、投資を推奨する意図はございません。投資判断はご自身でお願いいたします。
※本記事のデータは、IR BANKを参照しております。

日本郵船の評価

まずは日本郵船の評価!
日本郵船は、総合8点で「購入を見送り」と評価しました。

直近10年間で3回の減配(内1回は無配)の時点でパンダの投資スタイルと合わない銘柄のため購入は見送りと判断しました。他にも「売上高の安定性のなさ」「EPSが赤字を記録」「営業利益率が赤字を記録」など不安材料があります。対して、「配当利回り16.43%」「本業での利益を示す営業CFは毎年黒字」など非常に魅力的な要素もあります。

配当利回り

配当利回りとは、株式の購入金額に対して年間で受け取ることのできる配当金を表す数値であり、「配当利回り=年間配当金/株式購入金額*100」という式で表されます。

2023年2月3日時点、日本郵船の予想配当利回りは、約16.43%です。
※2023年予想配当金額510円、2023年2月3日終値3,104円で計算しました。

高配当株の基準とされる税引前配当利回り3.75%(税引後配当利回り3.00%)を上回る水準です。
配当利回り16.43%は100万円を投資していれば、税引前で約164,300円の配当金を得られる計算になります。

StockPandaでは基本的に税引前配当利回り3.75%(税引後配当利回り3.00%)を目安に投資判断をしており、日本郵船の配当利回りは十分に基準を満たしています。

増配回数・減配回数

増配とは前年と比較して配当金が増えることであり、減配とは前年と比較して配当金が減ることを指します。
具体的な日本郵船の2012年から2022年の配当金推移はグラフのようになっています。

日本郵船過去10年間の配当金推移のグラフ

増配・減配の評価

POINT!

総合評価:×

(10年間での減配実績なし:× / 恐慌時の安定配当実績:×)

2012年~2022年の10年間で増配回数6回、減配3回であり、投資の判断基準の1つである「10年間減配なし」に関しては×と評価します。2019年以降は連続増配で2023年も増配して1株あたり510円の配当を予想しています。2012年と2023年の配当金を比較すると36.26倍に成長しました。

もう1つの指標である「恐慌時の安定配当実績」に関しても×と評価します。2009年,2010年と2年連続で減配をしており、恐慌時に減配した実績があります。(参照:配当金チェッカー)

パンダの投資姿勢としてはこの時点で購入見送りを決定しました。長期的に安定して配当を得られる可能性が低そうな場合は購入しない方針で株式を購入しています。購入見送りは決定しましたが他の指標についても調査を進めます。

売上高

売上高とは、企業が商品やサービスを提供して得られる売上合計金額です。営業収益や収益などの呼ばれ方をしている場合もあるが、それらは全て売上高のことを指します。

日本郵船の2012年から2022年の売上高推移はグラフのようになっています。

日本郵船過去10年間の売上高推移のグラフ

売上高の評価

POINT!

総合評価:×

(売上高の安定性:× / 売上高の成長性:△)

投資判断基準である「売上の安定性」に関しては×と評価します。10%超の増加3回、10%超の減少2回を記録するなど増減が激しく、安定しているとは言えません
もう1つの投資判断基準「売上の成長性」に関しては△と評価します。売上高は10年間で増加5回、減少5回を経て約1.26倍へと成長しました。増減は激しいですが、10年間で見れば年平均2%以上の成長率です。

EPS

EPSとは、1株あたり純利益のことを指しており、「当期純利益/発行済株式数」という式で表されます。EPSが右肩上がりであれば、それだけでも会社経営としては100点だと言われることもある重要指標です。※当期純利益とは、企業が1年間をとしてあげた収益から人件費や販管費、税金など全ての費用を差し引いた利益のことです。

日本郵船の2012年から2022年のEPS推移はグラフのようになっています。

日本郵船過去10年間のEPS推移のグラフ

EPSの評価

POINT!

EPSが右肩上がり:×

投資判断の基準である「EPSが右肩上がり」に関しては×と評価します。2012年,2017年,2019年にEPSが赤字であることが最大の理由です。10年間で増加7回、減少3回と悪くはない推移ですが、赤字に転落したことが影響しました。

営業利益率

営業利益率は、本業がどれくらい効率的に利益を出しているのか知るための指標であり、「営業利益/売上」という式で示すことができます。※営業利益は、売上から売上原価や販管費などを差し引いた金額です。

日本郵船の2012年から2022年の営業利益率推移はグラフのようになっています。

日本郵船過去10年間の営業利益率推移のグラフ

営業利益率の評価

POINT!

総合評価:×

(営業利益率5%以上:× / 営業利益率の成長性:△)

投資判断基準の「営業利益率5%以上」は×と評価します。営業利益率は10年間で7回増加した結果、現在の営業利益率は10%超と超優良な水準ですが、0%以下を2回記録しているため×と評価しました。10年平均営業利益率は2.36%であり、現在の営業利益率が平均を大幅に上回る水準であることがわかります。

もう1つの投資判断基準である「営業利益率の成長性」に関しては△と判断します。10年間で営業利益率が改善されていますが、減少回数が3回あり成長性に関しては許容範囲といったところでしょう。

自己資本比率

自己資本比率とは、企業の持つ総資本のうち純資産が占める割合のことを指します。一般的には自己資本比率が高ければ高いほど会社が潰れにくいと考えられています。
例えば総資本100万円の企業の自己資本が100万円であれば、自己資本比率は100%です。総資本100万円の企業の自己資本が50万円、借入金額が50万円の場合は自己資本比率50%です。

日本郵船の2012年から2022年の自己資本比率はグラフのようになっています。

日本郵船過去10年間の自己資本比率推移のグラフ

自己資本比率の評価

POINT!

自己資本比率40%以上:○

投資判断基準である「自己資本比率40%以上」に関しては○と評価します。2022年は自己資本比率55.6%で基準の40%を超えました。しかし、10年平均での自己資本比率は30.3であり、平均と大きく乖離しています。

2012年以降、自己資本比率が40%を超えたのは2022年のみで○の評価には疑問が残るため、評価基準の見直しを検討します。

営業活動CF(営業キャッシュフロー)

営業活動CFとは、本業による収入と支出の差額を指します。投資CFや財務CFを含まないため、本業で利益が出ているのかを確認することができます。

日本郵船の2012年から2022年の営業CF推移はグラフのようになっています。

日本郵船過去10年間営業CFの推移のグラフ

営業CFの評価

POINT!

総合評価:△

(毎年黒字:◎ / 長期的に増加:◎)

投資判断基準である「毎年黒字」に関しては◎と評価します。過去10年間で赤字は一度もなく本業で利益を出し続けています

もう1つの投資判断基準である「長期的に増加」に関しても◎と判断します。10年間で増加7回、減少3回で17倍以上に成長しました。年平均10%成長を大幅に超えており、長期的に増加していると言えます。

ただし、2017年に大幅な減少があり、2016年の営業CFを超えるまでに5年を要しており◎と判断して良いのかは疑問が残ります。営業CFの長期的な増加に関しても評価基準の見直しを検討します。

現金等

現金等とは、現金や換金性の高い資産をどれだけ持っているのかを表す指標です。現金等が前年度と比較して増加していれば、経営状態が良いと判断できます。

日本郵船の2012年から2022年の現金等推移はグラフのようになっています。

日本郵船過去10年間の現金等推移のグラフ

現金等の評価

POINT!

安定して増加:×

10年間で増加4回、減少6回で1.50倍に成長していますが、投資判断基準である「現金等が安定して増加」に関しては×と評価します。2022年に大幅な増加があり、10年間では1.50倍まで成長していますが、2012年と2021年を比較すると減少していることが理由です。6年連続減少を記録するなど、安定して増加しているとは言えません。

まとめ

今回の日本郵船は、

  1. 配当利回り:約16.43%
  2. 増配回数・減配回数:×
  3. 売上高:×
  4. EPS:×
  5. 営業利益率:×
  6. 自己資本比率:○
  7. 営業活動CF:◎
  8. 現金等:×

という結果。

日本郵船は、総合8点で「購入を見送り」と評価しました。

直近10年間で3回の減配(内1回は無配)の時点でパンダの投資スタイルと合わない銘柄のため購入は見送りと判断しました。他にも「売上高の安定性のなさ」「EPSが赤字を記録」「営業利益率が赤字を記録」など不安材料があります。対して、「配当利回り16.43%」「本業での利益を示す営業CFは毎年黒字」など非常に魅力的な要素もあります。