穀物と電力に強みあり!安定した収益推移!?”丸紅”

更新日:2023年3月2日

本日は、高配当株の中でも人気の高い丸紅について8つの要素を用いて調査していきます。

着目する「8つの要素」とは?

  1. 配当利回り
    株式の購入金額に対して年間で受け取ることのできる配当金を表す数値
  2. 増配回数・減配回数
    増配とは前年と比較して配当金が増えることであり、減配とは前年と比較して配当金が減ること
  3. 売上高
    企業が商品やサービスを提供して得られる売上合計金額
  4. EPS
    1株あたり純利益
  5. 営業利益率
    本業がどれくらい効率的に利益を出しているのか知るための指標
  6. 自己資本比率
    企業の持つ総資本のうち純資産が占める割合
  7. 営業活動CF
    本業による収入と支出の差額
  8. 現金等
    現金や換金性の高い資産をどれだけ持っているのかを表す指標

※本記事は作者の頭の整理ならびに情報提供を目的としており、投資を推奨する意図はございません。投資判断はご自身でお願いいたします。
※本記事のデータは、IR BANKを参照しております。

丸紅の評価

まずは丸紅の評価!
丸紅は、総合-2点で「購入を見送り」と評価しました。

丸紅の不安材料としては、「2021年に減配+リーマンショック時に2年連続減配」「売上高の不安定さ」「EPS2年連続減少かつ赤字転落あり」「営業利益率の悪化が10年間で5回」「自己資本比率30%以下」「現金等が10年間で減少」などがあります。

もし投資を検討するのであれば、「商社である以上、景気や為替によって売上やEPSに大幅な影響が出ることはある程度仕方ない」と割り切ることが必要です。

今回の点数ですが、商社のビジネスモデルとパンダの判断基準が合わなかった可能性があるかも…

商社株は景気敏感株であり増減があることは当たり前ですが、パンダの判断指標は安定性を求めており、景気敏感株との相性の悪さは否めません。今後、判断基準の見直しを予定しており、三菱商事の株については再度評価する必要性を感じています。

配当利回り

配当利回りとは、株式の購入金額に対して年間で受け取ることのできる配当金を表す数値であり、「配当利回り=年間配当金/株式購入金額*100」という式で表されます。

2022年1月20日時点、丸紅の予想配当利回りは、約4.86%です。
※2023年予想配当金額75円、2022年12月1日終値1,544円で計算しています。

高配当株の基準とされる税引前配当利回り3.75%(税引後配当利回り3.00%)を上回る水準です。配当利回り4.86%は100万円を投資していれば、税引前で約48,600円の配当金を得られる計算です。

基本的に税引前配当利回り3.75%(税引後配当利回り3.00%)を目安に投資判断をしており、丸紅の配当利回りは十分に基準を満たしています。

増配回数・減配回数

増配とは前年と比較して配当金が増えることであり、減配とは前年と比較して配当金が減ることを指します。

数値から読み取る増配・減配

10年間で増配回数8回、減配2回。

具体的な丸紅の2012年から2022年の配当金推移はグラフのようになっています。

丸紅過去10年間の配当金推移のグラフ

2012年~2022年の10年間で増配回数8回、減配2回です。
2023年は2022年から増配して1株あたり75円の配当を予想しています。2012年と2023年の配当金を比較すると3.10倍に成長しそうです。
2015年26円→2016年21円への減配がありました。また、2020年35円→2021年33円への減配もありました。2013年~2021年は増配減配とも1桁で推移していましたが、2022年には前年比+29円(2021年33円)の大幅増配を実施しています。

増配・減配の評価

POINT!

総合評価:×

(10年間での減配実績なし:× / 恐慌時の安定配当実績:×)

投資の判断基準の1つである「10年間減配なし」に関しては×と評価します。直近では2021年に減配を実施しており、今後も減配の可能性を感じるためです。2022年に大幅増配を実施しており株主還元方針を変更した可能性があります。

もう1つの指標である「恐慌時の安定配当実績」に関しても×と評価します。リーマンショック時の2009年は、前年13円→10円への減配、2010年にも減配を実施しています。コロナショックの影響を受けた2021年にも減配を実施していることが理由です。(配当金チェッカーより)

売上高

売上高とは、企業が商品やサービスを提供して得られる売上合計金額です。営業収益や収益などの呼ばれ方をしている場合もあるが、それらは全て売上高のことを指します。

数値から読み取る売上高

10年間で増加5回、減少5回
10年間で約1.93倍

丸紅の2012年から2022年の売上高推移はグラフのようになっています。

丸紅過去10年間の売上高推移のグラフ

売上高は10年間で増加5回、減少5回です。2016年2017年は2年連続、2019年~2021年は3年連続で減収を記録しています。増加については、2012年は前年比+40%超、2022年は前年比+30%超の大幅増収を記録しています。結果、2012年と2022年の売上高を比較すると約1.93倍に成長しました。

売上高の評価

POINT!

総合評価:×

(売上高の安定性:× / 売上高の成長性:×)

投資判断基準である「売上の安定性」に関しては×と評価します。過去10年間で5%以上の減収を3度記録しています。10%を超える減収はありませんが3年連続での減収もあることが理由です。
もう1つの投資判断基準「売上の成長性」に関しても×と評価します。2012年と2022年の比較では1.69倍となっていますが、2021年の売上は2014年の売上よりも小さく成長性は×の判断です。

EPS

EPSとは、1株あたり純利益のことを指しており、「当期純利益/発行済株式数」という式で表されます。EPSが右肩上がりであれば、それだけでも会社経営としては100点だと言われることもある重要指標です。※当期純利益とは、企業が1年間をとしてあげた収益から人件費や販管費、税金など全ての費用を差し引いた利益のことです。

数値から読み取るEPS

10年間で増加6回、減少4回
10年間でEPSは約2.75倍に成長

丸紅の2012年から2022年のEPS推移はグラフのようになっています。

丸紅過去10年間のEPS推移のグラフ

EPSは10年間で6回、減少4回です。2015年~2016年は2年連続でのEPS減少、2020年にはEPSが赤字に転落しています。対して、2021年2022年は大幅に増加しており、2012年と2022年で比較すると約2.75倍に成長しています。

EPSの評価

POINT!

EPSの成長性:×

投資判断の基準である「EPSの成長性」に関しては×と評価します。2年連続減少あり、2014年のEPSを更新するまで4年、2020年赤字に転落などの理由でEPSの成長性はないと判断しました。

営業利益率

営業利益率は、本業がどれくらい効率的に利益を出しているのか知るための指標であり、「営業利益/売上」という式で示すことができます。※営業利益は、売上から売上原価や販管費などを差し引いた金額です。

数値から見る営業利益率

過去10年で最大3.34%、最低1.28%
10年平均2.02%

丸紅の2012年から2022年の営業利益率推移はこんな感じ。

丸紅過去10年間の営業利益率推移のグラフ

営業利益率は10年間で増加5回、減少5回です。
2013年~2016年は4年連続で営業利益率が悪化しています。2018年2019年と順調に改善しましたが、2020年に再び悪化しました。2021年2022年は改善し、2022年は営業利益率3.34%と10年間で最高を記録しています。

営業利益率の評価

POINT!

総合評価:×

(営業利益率5%以上:△ / 営業利益率の成長性:×)

投資判断基準の「営業利益率5%以上」は△と評価します。2022年の営業利益率が3.34%であること、10年間平均2.02%であることが理由です。

もう1つの投資判断基準である「営業利益率の成長性」に関しては×と判断します。過去10年で営業利益率減少が5回あることが理由です。2022年には10年間で最高の営業利益率を記録しており、今後も営業利益率が改善されることを期待しています。

自己資本比率

自己資本比率とは、企業の持つ総資本のうち純資産が占める割合のことを指します。一般的には自己資本比率が高ければ高いほど会社が潰れにくいと考えられています。
例えば総資本100万円の企業の自己資本が100万円であれば、自己資本比率は100%です。総資本100万円の企業の自己資本が50万円、借入金額が50万円の場合は自己資本比率50%です。

数値から読み取る自己資本比率

10年間で増加8回、減少2回
16.8%~29.1%の間で推移

丸紅の2012年から2022年の自己資本比率はグラフのようになっています。

丸紅過去10年間の自己資本比率推移のグラフ

自己資本比率は10年間で増加8回、減少2回です。
2013年~2015年は順調に自己資本比率が改善しています。2016年に悪化するも翌2017年には20%を超えました。2019年には29.1%と30%に迫りますが2020年に24%まで減少してしまいます。その後、2021年2022年と順調に増加し現在は27.2%です。

自己資本比率の評価

POINT!

自己資本比率40%以上:×

投資判断基準である「自己資本比率40%以上」に関しては○と評価します。2022年の自己資本比率が27.2%であり、許容範囲の30%に達していないことが理由です。このまま順調に増加し、まずは30%超えを期待しています。

営業活動CF(営業キャッシュフロー)

営業活動CFとは、本業による収入と支出の差額を指します。投資CFや財務CFを含まないため、本業で利益が出ているのかを確認することができます。

数値から読み取る営業CF

10年間赤字なし
10年間で約2.44倍に成長

丸紅の2012年から2022年の営業CF推移はグラフのようになっています。

丸紅過去10年間の営業CF推移のグラフ

10年連続黒字。
10年間で営業CF増加6回、減少4回です。2015年には前年比-40%超の大幅減少を記録しましたが、翌2016年には前年比+100%超の大幅増加を記録しています。2017年~2018年は2年連続で減少しましたが、2019年~2021年は3年連続増加で過去最高を更新しています。2022年は減少しましたが、2012年と2022年を比較すると約2.44倍に成長しています。

営業CFの評価

POINT!

総合評価:△

(毎年黒字:◎ / 長期的に増加:×)

投資判断基準である「毎年黒字」に関しては◎と評価します。過去10年間で赤字は一度もなく本業で利益を出し続けていることが理由です。

もう1つの投資判断基準である「長期的に増加」に関しては×と判断します。過去10年間で4回、営業利益が減少しており長期的に増加しているとは言えません。2012年と2022年を比較すると約4.49倍へと成長していますが、増減が激しすぎるため×と評価しました。

現金等

現金等とは、現金や換金性の高い資産をどれだけ持っているのかを表す指標です。
現金等が前年度と比較して増加していれば、経営状態が良いと判断できます。

数値から読み取る現金等

10年間で増加5回、減少5回。
10年間で約0.87倍に成長。

丸紅の2012年から2022年の現金等推移はグラフのようになっています。

丸紅過去10年間の現金等推移のグラフ

10年間で増加5回、減少5回です。全体的に増減が大きく、増減幅が前年比1桁%は2020年のみです。10年間で現金等保有額は87%に減少しています。

現金等の評価

POINT!

安定して増加:×

投資判断基準である「現金等が安定して増加」に関しては×と評価します。2012年と2022年を比較して減少しており、安定して増加の基準を満たしません。10年間で減少回数5回、増減幅が2桁を超えることが大半であることも理由です。

まとめ

今回の丸紅は、

  1. 配当利回り:約4.86%
  2. 増配回数・減配回数:×
  3. 売上高:×
  4. EPS:×
  5. 営業利益率:×
  6. 自己資本比率:×
  7. 営業活動CF:△
  8. 現金等:×

という結果でした。

丸紅は、総合-2点で「購入を見送り」と評価しました。

丸紅の不安材料としては、「2021年に減配+リーマンショック時に2年連続減配」「売上高の不安定さ」「EPS2年連続減少かつ赤字転落あり」「営業利益率の悪化が10年間で5回」「自己資本比率30%以下」「現金等が10年間で減少」などがあります。

もし投資を検討するのであれば、「商社である以上、景気や為替によって売上やEPSに大幅な影響が出ることはある程度仕方ない」と割り切ることが必要です。

今回の点数ですが、商社のビジネスモデルとパンダの判断基準が合わなかった可能性があります。
商社株は景気敏感株であり増減があることは当たり前ですが、パンダの判断指標は安定性を求めており、景気敏感株との相性の悪さは否めません。今後、判断基準の見直しを予定しており、三菱商事の株については再度評価する必要性を感じています。