非資源最強商社!?投資するにも最強か!”伊藤忠商事”

更新日:2023年2月25日

本日は、高配当株の中でも人気の高い伊藤忠商事について8つの要素を用いて調査していく。

着目する「8つの要素」とは?

  1. 配当利回り
    株式の購入金額に対して年間で受け取ることのできる配当金を表す数値
  2. 増配回数・減配回数
    増配とは前年と比較して配当金が増えることであり、減配とは前年と比較して配当金が減ること
  3. 売上高
    企業が商品やサービスを提供して得られる売上合計金額
  4. EPS
    1株あたり純利益
  5. 営業利益率
    本業がどれくらい効率的に利益を出しているのか知るための指標
  6. 自己資本比率
    企業の持つ総資本のうち純資産が占める割合
  7. 営業活動CF
    本業による収入と支出の差額
  8. 現金等
    現金や換金性の高い資産をどれだけ持っているのかを表す指標

※本記事は作者の頭の整理ならびに情報提供を目的としており、投資を推奨する意図はございません。投資判断はご自身でお願いいたします。
※本記事のデータは、IR BANKを参照しております。

伊藤忠商事の評価

まずは伊藤忠商事の評価!
伊藤忠商事は、総合6点で「購入を見送り」と評価します。

伊藤忠商事の懸念点として、「配当利回り3.75%の基準を満たさない」「売上高が前年比5%以上増減することが多く、安定しているとは言えない。」「EPSは前年比-20%超が2度発生するなどこちらも増減が激しい。」などが挙げられます。

もし投資を検討するのであれば、「商社である以上、景気や為替によって売上やEPSに大幅な影響が出ることはある程度仕方ない」と割り切ることが必要です。

今回の点数ですが、商社のビジネスモデルとパンダの判断基準が合わなかった可能性があります。
商社株は景気敏感株であり増減があることは当たり前ですが、パンダの判断指標は安定性を求めており、景気敏感株との相性の悪さは否めません。今後、判断基準の見直しを予定しており、三菱商事の株については再度評価する必要性を感じています。

配当利回り

配当利回りとは、株式の購入金額に対して年間で受け取ることのできる配当金を表す数値であり、「配当利回り=年間配当金/株式購入金額*100」という式で表されます。

2023年1月19日時点、伊藤忠商事の予想配当利回りは、約3.44%です。
※2023年予想配当金額140円、2022年12月1日終値4,064円で計算しました。

高配当株の基準とされる税引前配当利回り3.75%(税引後配当利回り3.00%)には届かないよ。配当利回り3.44%は100万円を投資していれば、税引前で約34,400円の配当金を得られる計算だね!

基本的に税引前配当利回り3.75%(税引後配当利回り3.00%)を目安に投資判断をしており、伊藤忠商事の配当利回りが基準を満たすためには株価が3,733円を下回る必要があります。52週安値が3,478円で高配当株水準を下回る可能性はありそうです。

増配回数・減配回数

増配とは前年と比較して配当金が増えることであり、減配とは前年と比較して配当金が減ることを指します。

数値から読み取る増配・減配

10年間で増配回数8回、減配1回。
具体的な伊藤忠商事の2012年から2022年の配当金推移はグラフのようになっています。

伊藤忠商事過去10年間の配当金推移のグラフ

2012年~2022年の10年間で増配回数8回、減配1回です。
2023年は2022年から増配して1株あたり140円の配当を予想しています。2012年と2023年の配当金を比較すると2.50倍に成長しそうです。

最後に減配を行ったのは2013年でそれ以降2022年まで減配はありません。2023年にも増配を予想しており、2013年~2023年の10年間では減配なしの可能性が高くなっています。

増配・減配の評価

POINT!

総合評価:○

(10年間での減配実績なし:○ / 恐慌時の安定配当実績:○)

投資の判断基準の1つである「10年間減配なし」に関しては○と評価します。最後の減配が2013年であり、2013年以降は一度も減配はありません。もう1つの指標である「恐慌時の安定配当実績」に関しては○と評価します。リーマンショック時の2009年3月期は前年18円→18.5円への増配を実施、2010年3月期は前年18.5円→15円への減配を実施しました(配当金チェッカー:伊藤忠商事より)

売上高

売上高とは、企業が商品やサービスを提供して得られる売上合計金額。営業収益や収益などの呼ばれ方をしている場合もあるが、それらは全て売上高のことを指します。

数値から読み取る売上高

10年間で増加5回、減少4回。
10年間で約2.93倍。

伊藤忠商事の2012年から2022年の売上高推移はグラフのようになっています。

伊藤忠商事過去10年間の売上高推移のグラフ

売上高は10年間で増加6回、減少4回です。表では2015年の増減が不明なためアニュアルレポート2015にて売上増減を確認したところ、2015年3月期決算は前年比+40億円程度の増収でした。2016年~2017年,2020年~2021年は減収を記録も、2012年と2022年の売上高を比較すると約2.93倍に成長しました。

売上高の評価

POINT!

総合評価:×

(売上高の安定性:× / 売上高の成長性:×)

投資判断基準である「売上の安定性」に関しては×と評価します。10年間で前年比-5%以上の減収3回を記録しています。また、2年連続での減収も2回記録しており安定していないと判断しました。

もう1つの投資判断基準「売上の成長性」に関しても×と評価します。2012年と2022年では大幅に成長していますが、2年連続で減収があることや2016年~2018年にかけて過去最高を更新できていないことが理由です。

EPS

EPSとは、1株あたり純利益のことを指しており、「当期純利益/発行済株式数」という式で表されます。EPSが右肩上がりであれば、それだけでも会社経営としては100点だと言われることもある重要指標です。※当期純利益とは、企業が1年間をとしてあげた収益から人件費や販管費、税金など全ての費用を差し引いた利益のことです。

数値から読み取るEPS

10年間で増加6回、減少4回。
10年間でEPSは約2.92倍に成長。
伊藤忠商事の2012年から2022年のEPS推移はグラフのようになっています。

伊藤忠商事過去10年間のEPS推移のグラフ

EPSは10年間で6回、減少4回です。2012年と2022年で比較すると約2.92倍に成長しています。

2013年~2014年には連続での減少しましたが、2017年以降は順調に増加しています。しかし、2021年は前年比-20%に迫る下落を記録しました。これは2016年の下落幅を超えて過去10年間で最大の下落幅です。

EPSの評価

POINT!

EPSの成長性:×

投資判断の基準である「EPSの成長性」に関しては×と評価します。2012年のEPSを超えるまでに5年間を要していることや2年連続での減少があることが理由です。2017年~2020年は順調に推移しており、2020年に減少も翌2021年には過去最高を大幅に更新しました。今後のEPS増加に期待します。

営業利益率

営業利益率は、本業がどれくらい効率的に利益を出しているのか知るための指標であり、「営業利益/売上」という式で示すことができます。※営業利益は、売上から売上原価や販管費などを差し引いた金額です。

数値から見る営業利益率

過去10年で最大5.96%、最低2.3.%
10年平均営業利益率4.46%

伊藤忠商事の2012年から2022年の営業利益率推移はグラフの通りです。

伊藤忠商事過去10年間の営業利益率推移のグラフ

営業利益率は10年間で増加5回、減少5回です。2012年3月期の営業利益率に関しては、平成24年3月期決算-伊藤忠商事を参照しています。2013年に営業利益率5%を超えるも2014年~2016年まで3年連続で営業利益率が悪化しました。2019年以降は営業利益率5%以上に戻せていません。

営業利益率の評価

POINT!

総合評価:○

(営業利益率5%以上:◎ / 営業利益率の成長性:×)

投資判断基準の「営業利益率5%以上」は△と評価します。2022年の営業利益率が4.74%であること、10年平均営業利益率が4.46%であることより△と評価しました。
もう1つの投資判断基準である「営業利益率の成長性」に関しては×と評価します。過去10年で営業利益率減少が5回あることに加え、過去最高を更新できていないため、成長性があるとは言えません。

自己資本比率

自己資本比率とは、企業の持つ総資本のうち純資産が占める割合のことを指します。一般的には自己資本比率が高ければ高いほど会社が潰れにくいと考えられています。
例えば総資本100万円の企業の自己資本が100万円であれば、自己資本比率は100%です。総資本100万円の企業の自己資本が50万円、借入金額が50万円の場合は自己資本比率50%です。

数値から読み取る自己資本比率

10年間で増加7回、減少3回。
20.3%~34.8%の間で推移

伊藤忠商事の2012年から2022年の自己資本比率はグラフのようになっています。

伊藤忠商事過去10年間自己資本比率推移のグラフ

自己資本比率は10年間で増加7回、減少3回です。2012年には20.3%の自己資本比率が2020年には34.6%まで増加。前年比-10%を超えるような大幅な減少は1度もありません。

自己資本比率の評価

POINT!

自己資本比率40%以上:△

投資判断基準である「自己資本比率40%以上」に関しては△と評価します。2022年度の自己資本比率は34.6%であり、基準となる40%を満たしていません。10年間で大幅に自己資本比率が改善されており、今後さらなる上昇が期待できそうです。

営業活動CF(営業キャッシュフロー)

営業活動CFとは、本業による収入と支出の差額を指します。投資CFや財務CFを含まないため、本業で利益が出ているのかを確認することができます。

数値から読み取る営業CF

10年間赤字なし
10年間で約3.77倍に成長。

伊藤忠商事の2012年から2022年の営業CF推移はグラフのようになっています。

伊藤忠商事過去10年間の営業CF推移のグラフ

10年連続黒字。10年間で営業CF増加6回、減少4回です。2022年は前年比-10%を超える減少ですが、他の減少時は10%未満の小幅な減少です。2012年と2023年を比較すると約3.77倍に成長しています。

営業CFの評価

POINT!

総合評価:△

(毎年黒字:◎ / 長期的に増加:×)

投資判断基準である「毎年黒字」に関しては◎と評価します。過去10年間で赤字は一度もなく本業で利益を出し続けていることが理由です。もう1つの投資判断基準である「長期的に増加」に関しては×と判断します。過去10年間で4回、営業利益が減少しており長期的に増加しているとは言えないことが理由です。

現金等

現金等とは、現金や換金性の高い資産をどれだけ持っているのかを表す指標です。現金等が前年度と比較して増加していれば、経営状態が良いと判断できます。

数値から読み取る現金等

10年間で増加6回、減少4回。
10年間で約1.19倍に成長。

伊藤忠商事の2012年から2022年の現金等推移はグラフの通りです。

伊藤忠商事過去10年間の現金等推移のグラフ

現金等の評価

POINT!

安定して増加:×

投資判断基準である「現金等が安定して増加」に関しては×と評価します。10年間で減少回数4回であることが主な評価理由です。特に2018年、2021年は大幅な減少を記録しており理由を調べる必要がありそうです。大幅減少の翌年は大幅増加を記録しているため、経営指標として重要視されている可能性もあります。

まとめ

今回の伊藤忠商事は、

  1. 配当利回り:約3.44%
  2. 増配回数・減配回数:○
  3. 売上高:×
  4. EPS:×
  5. 営業利益率:○
  6. 自己資本比率:△
  7. 営業活動CF:△
  8. 現金等:×

という結果でした。

伊藤忠商事は、総合6点で「購入を見送り」と評価します。

伊藤忠商事の懸念点として、「配当利回り3.75%の基準を満たさない」「売上高が前年比5%以上増減することが多く、安定しているとは言えない。」「EPSは前年比-20%超が2度発生するなどこちらも増減が激しい。」などが挙げられます。

もし投資を検討するのであれば、「商社である以上、景気や為替によって売上やEPSに大幅な影響が出ることはある程度仕方ない」と割り切ることが必要です。

今回の点数ですが、商社のビジネスモデルとパンダの判断基準が合わなかった可能性があります。
商社株は景気敏感株であり増減があることは当たり前ですが、パンダの判断指標は安定性を求めており、景気敏感株との相性の悪さは否めません。今後、判断基準の見直しを予定しており、三菱商事の株については再度評価する必要性を感じています。