業界最高利回り!売上・配当増続く”MS&AD”

本日は、高配当株の中でも人気の高いMS&ADインシュアランスグループHDについて8つの要素を用いて調査していきます。※本記事のデータは、IR BANKを参照しております。
着目する「8つの要素」とは?
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配当利回り
株式の購入金額に対して年間で受け取ることのできる配当金を表す数値 - 増配回数・減配回数
増配とは前年と比較して配当金が増えることであり、減配とは前年と比較して配当金が減ること - 売上高
企業が商品やサービスを提供して得られる売上合計金額 - EPS
1株あたり純利益 - 営業利益率
本業がどれくらい効率的に利益を出しているのか知るための指標 - 自己資本比率
企業の持つ総資本のうち純資産が占める割合 - 営業活動CF
本業による収入と支出の差額 - 現金等
現金や換金性の高い資産をどれだけ持っているのかを表す指標
MS&ADインシュアランスグループHDの評価
まずはMS&ADインシュアランスグループHDの評価です!
MS&ADインシュアランスグループHDの株式については合計点18点で「購入を検討」と判断しました。
過去10年間で経常利益率・営業CFに赤字があることが最大の懸念点です。5%に迫る配当利回りと売上高の成長性、ソルベンシー・マージン比率からわかる財務の健全性などは非常に魅力的ですが、他の要素を含めて購入を再検討する必要ありと判断しました。
配当利回り
配当利回りとは、株式の購入金額に対して年間で受け取ることのできる配当金を表す数値であり、「配当利回り=年間配当金/株式購入金額*100」という式で表されます。
2022年12月16日時点、MS&ADインシュアランスグループHDの予想配当利回りは、約4.93%です!
※2023年予想配当金額230円、2022年12月12日終値4,664円で計算しています。
高配当株の基準とされる税引前配当利回り3.75%(税引後配当利回り3.00%)を上回る水準です。配当利回り4.93%は100万円を投資していれば、税引前で約49,300円の配当金を得られる計算になります。
StockPandaでは基本的に税引前配当利回り3.75%(税引後配当利回り3.00%)を目安に投資判断をしており、MS&ADインシュアランスグループHDの配当利回りは十分に基準を満たしています。
増配回数・減配回数
増配とは前年と比較して配当金が増えることであり、減配とは前年と比較して配当金が減ることを指します。
数値から読み取る増配・減配
10年間で増配9回、減少0回と順調に増配
具体的なMS&ADインシュアランスグループHDの2012年から2022年の配当金推移はグラフのようになっています。
2012年~2022年の10年間で増配回数9回、減配回数0回です。2023年は2022年から増配して1株あたり200円の配当を予想しています。2012年と2023年の配当金を比較すると約3.7倍に成長しています。2013年以降は着実に増配を実施しており、今後も増配を期待できる銘柄です。
増配・減配の評価
POINT!
総合評価:○
(10年間での減配実績なし:◎ / 恐慌時の安定配当実績:◎)
投資の判断基準の1つである「10年間減配なし」に関しては◎と評価します。2013年以降、9年連続で増配をしており、投資するには十分と判断しました。もう1つの指標である「恐慌時の安定配当実績」に関しても◎と評価します。リーマンショック時にはMS&ADインシュアランスグループHDとして存在していませんでしたが、経営統合前の「ニッセイ同和損保」「あいおい損保」はリーマンショック時にも減配することなく配当を実施しています。
売上高
売上高とは、企業が商品やサービスを提供して得られる売上合計金額です。営業収益や収益などの呼ばれ方をしている場合もあるが、それらは全て売上高のことを指します。
数値から読み取る売上高
10年間で増加9回、減少1回
10年間で約1.41倍へ成長
MS&ADインシュアランスグループHDの2012年から2022年の売上高推移はグラフのようになっています。
売上高は増加9回、減少1回で2012年と2022年の売上高を比較すると約1.41倍へ成長しています。MS&ADインシュアランスグループHDの売上高の推移を見ると2012年~2020年まで順調に売上が成長しており、減少した2021年の減少幅は約2%程度です。
売上高の評価
POINT!
総合評価:◎
(売上高の安定性:◎ / 売上高の成長性:◎)
投資判断基準である「売上の安定性」に関しては◎と評価します。過去10年で9回売上が増加しており、5%以上の売上減少は1度もないため◎の評価です。もう1つの投資判断基準「売上の成長性」に関しても◎と評価します。10年間で売上は1.69倍となっており、2年連続での減少はありません。2020年の減収後1年で過去最高売上を更新していることも理由です。
EPS
EPSとは、1株あたり純利益のことを指しており、「当期純利益/発行済株式数」という式で表されます。EPSが右肩上がりであれば、それだけでも会社経営としては100点だと言われることもある重要指標です。※当期純利益とは、企業が1年間をとしてあげた収益から人件費や販管費、税金など全ての費用を差し引いた利益のことです。
数値から読み取るEPS
10年間で増加8回、減少2回
2012年には赤字を記録
MS&ADインシュアランスグループHDの2012年から2022年のEPS推移はグラフのようになっています。
EPSは10年間で増加8回、減少2回です。2012年には赤字を記録しています。2年連続での減少は1度もありませんが、2017年の350.95を超えるまでに5年を要しています。2018年に約25%、2020年に約25%の減少を記録しており、1度の減少幅が非常に大きいことが2017年のEPSを超えられなかった理由であると考えられます。
EPSの評価
EPSの成長性:×
投資判断の基準である「EPSの成長性」に関しては×と評価します。過去10年で減少2回ですが、2017年のEPSを超えるまでに5年を要したことが理由です。
2022年に前年比約85%の急伸を見せたことで過去最高を記録しましたが、2023年予想では再び300以下まで減少を発表しており、安定的にEPSが増加しているとは言えない状況です。

2022年に大幅な上昇を見せた理由については別途調べる必要がありそうです!
営業利益率
営業利益率は、本業がどれくらい効率的に利益を出しているのか知るための指標であり、「営業利益/売上」という式で示すことができます。
※営業利益は、売上から売上原価や販管費などを差し引いた金額です。
数値から見る営業利益率
2012年は赤字
10年間で増加6回、減少4回
MS&ADインシュアランスグループHDの2012年から2022年の経常利益率推移はグラフのようになっています。
※通常は営業利益率で判断していますが、損害保険会社は営業利益率が算出できないため経常利益率で判断します。
営業利益率は10年間で増加6回、減少4回です。2012年は赤字のため利益率の算出ができていません。その後は2020年の4.42%を除いて5%以上を記録しており、現在は10%以上の経常利益率です。2022度決算では営業利益率10.82%の高水準で過去最高を記録しました。

2013年~2022年の平均計上利益率は約8.05%と非常に高水準です!
営業利益率の評価
POINT!
総合評価:○
(営業利益率5%以上:◎ / 営業利益率の成長性:×)
投資判断基準の「営業利益率5%以上」は◎と評価します。2012年は赤字ですが、2013年以降の平均が7.5%を上回ります。また、2022年には過去最高の10.82%を記録しており、投資に十分な銘柄です。
もう1つの投資判断基準である「営業利益率の成長性」に関しては×と判断します。過去10年で営業利益率減少が4回あることに加え、2020年には2013年以降最低水準を記録しており成長性があるとは言えません。
営業利益率の成長性に関しては×評価ですが、すでに営業利益率が高い水準にあるため総合評価は○と判断しました。
自己資本比率
自己資本比率とは、企業の持つ総資本のうち純資産が占める割合のことを指します。一般的には自己資本比率が高ければ高いほど会社が潰れにくいと考えられています。
例えば総資本100万円の企業の自己資本が100万円であれば、自己資本比率は100%です。総資本100万円の企業の自己資本が50万円、借入金額が50万円の場合は自己資本比率50%です。
数値から読み取る自己資本比率
10年間で増加6回、減少4回
ソルベンシーマージン比率は200%を超える
MS&ADインシュアランスグループHDの2012年から2022年の自己資本比率はグラフのようになっています。
過去10年間で増加6回・減少4回を記録し、自己資本比率は約1.26倍へと成長しています。MS&ADインシュアランスグループHDの自己資本比率は2012年の10.3%を下限に、10.3%~13.4%の間で推移しました。2012年~2015年は毎年右肩上がりで自己資本比率が増加するも、その後は増減を繰り返し、2022年の自己資本比率は13%です。
自己資本比率の評価
POINT!
ソルベンシーマージン比率:◎
損害保険会社はビジネスモデルの関係上、自己資本比率が低くなります。そのため通常の投資判断基準である「自己資本比率40%以上」に変わり、「ソルベンシーマージン比率200%以上」を用いて評価します。「ソルベンシーマージン比率200%以上」に関しては◎と評価します。2022年3月期決算によれば、連結でのソルベンシー・マージン比率は857.9%で健全性の基準を大幅に上回る結果です。過去10年間でも常に200%以上を維持しており、財務の健全性には問題はないと判断しました。。

「ソルベンシーマージン比率」とは、保険会社が保険金支払いのために積み立てている資金を上回って有する「支払い余力」を測る指標のことだよ!
営業活動CF(営業キャッシュフロー)
営業活動CFとは、本業による収入と支出の差額を指します。投資CFや財務CFを含まないため、本業で利益が出ているのかを確認することができます。
数から読み取る営業CF
10年間で赤字2回
10年間で増加5回、減少5回
MS&ADインシュアランスグループHDの2012年から2022年の営業CF推移はこんな感じ!
10年間で2回の赤字を記録しています。過去最高は2016年の1.29兆円で2017年以降は2021年まで5年連続で減少しています。2021年には2012年以来の赤字を記録しました。2022年には2016年以来6年ぶりの増加を記録するも営業CFは2020年を下回る水準です。
営業CFの評価
POINT!
総合評価:×
(毎年黒字:× / 長期的に増加:×)
投資判断基準である「毎年黒字」に関しては×と評価します。過去10年間で赤字が2度あり、本業で利益を出せていない年もあることがわかります。もう1つの投資判断基準である「長期的に増加」に関しても×と判断します。過去10年間で3回以上、2016年~2021年には営業利益が減少しており長期的に増加しているとは言えません。
現金等
現金等とは、現金や換金性の高い資産をどれだけ持っているのかを表す指標です。現金等が前年度と比較して増加していれば、経営状態が良いと判断できます。
数値から読み取る現金等
10年間で増加7回、減少3回
10年間で約3.18倍
MS&ADインシュアランスグループHDの2012年から2022年の現金等推移はグラフのようになっています。
10年間で増加7回・減少3回を経て、2022年には過去最高を記録しました。2012年と2022年を比較すると約3.18倍に増加しています。2014年には約12%の減少、2018年には約7%の減少、2021年には約10%の減少を記録するも減少した次の年には常に過去最高を更新し続けています。
現金等の評価
POINT!
安定して増加:×
投資判断基準である「現金等が安定して増加」に関しては×と評価します。10年間で減少回数3回であることが主な評価理由です。過去10年間の減少幅は最大でも約12%であり、現金等保有額が急激に減少しているわけではありません。
まとめ
今回のMS&ADインシュアランスグループHDは、
- 配当利回り:約4.93%
- 増配回数・減配回数:◎
- 売上高:◎
- EPS:×
- 営業利益率:○
- 自己資本比率:◎
- 営業活動CF:×
- 現金等:×
という結果でした。
合計点数18点で「購入を検討」と判断しました。
過去10年間で経常利益率・営業CFに赤字があることが最大の懸念点です。5%に迫る配当利回りと売上高の成長性、ソルベンシー・マージン比率からわかる財務の健全性などは非常に魅力的ですが、他の要素を含めて購入を再検討する必要ありと判断しました。
減少幅が小さいことに加えて、翌2022年には過去最高売上を更新しています!