商社?それともメーカー?1株配当大幅増加!”住友林業”

更新日:2023年1月22日

本日は、高配当株の中でも人気の高い住友林業を8つの要素を用いて調査していきます。
※本記事のデータは、IR BANKを参照しております。

着目する「8つの要素」とは?

  1. 配当利回り
    株式の購入金額に対して年間で受け取ることのできる配当金を表す数値
  2. 増配回数・減配回数
    増配とは前年と比較して配当金が増えることであり、減配とは前年と比較して配当金が減ること
  3. 売上高
    企業が商品やサービスを提供して得られる売上合計金額
  4. EPS
    1株あたり純利益
  5. 営業利益率
    本業がどれくらい効率的に利益を出しているのか知るための指標
  6. 自己資本比率
    企業の持つ総資本のうち純資産が占める割合
  7. 営業活動CF
    本業による収入と支出の差額
  8. 現金等
    現金や換金性の高い資産をどれだけ持っているのかを表す指標

住友林業の評価

まずは住友林業の評価です!
住友林業の株式については「購入を見送り」と判断しました。

投資判断項目で基準をクリアしたものが2つであることが購入を見送った理由です。様々な指標で近年大幅な改善があるため、今後の動向を中止していきたい銘柄の1つであることは間違いありません。

配当利回り

配当利回りとは、株式の購入金額に対して年間で受け取ることのできる配当金を表す数値であり、「配当利回り=年間配当金/株式購入金額*100」という式で表されます。

2022年12月12日時点、住友林業の予想配当利回りは、約5.19%です!
※2023年予想配当金額125円、2022年12月12日終値2,407円で計算しました。

高配当株の基準とされる税引前配当利回り3.75%(税引後配当利回り3.00%)を上回る水準になっています。

配当利回り5.19%は100万円を投資していれば、税引前で約51,900円の配当金を得られる計算です!

基本的に税引前配当利回り3.75%(税引後配当利回り3.00%)を目安に投資判断をしており、住友林業の配当利回りは十分に基準を満たしています

増配回数・減配回数

増配とは前年と比較して配当金が増えることであり、減配とは前年と比較して配当金が減ることを指します。

数値から読み取る増配・減配

2011年~2022年の10年間で増配回数9回と順調に増配

具体的な住友林業の2011年から2022年の配当金推移はグラフのようになっています。

住友林業過去10年間の配当金推移のグラフ

2011年~2021年の10年間で増配回数9回です。表の中に「2020/03」と「2020/12」があり、2020年の配当金が2回ある理由については事業年度の変更をご参照ください。表では減配しているように見えますが、2020年度の配当金は「2020/03」と「2020/12」の合計である75円で増配しています。

2022年は2021年から増配して1株あたり125円の配当を予想しており、と2022年で1.5倍以上の配当金予想になっています。なぜ大幅な増配があったのか気になるので追加で調べてみましょう。

2011年と2022年の配当金を比較すると5.33倍に成長しています。7回の増配と1回の減配を経て5.33倍にもなっているのはすごいことです!

増配・減配の評価

POINT!

総合評価:◎

(10年間での減配実績なし:◎ / 恐慌時の安定配当実績:◎)

投資の判断基準の1つである「10年間減配なし」の基準を満たしています。もう1つの指標である「恐慌時の安定配当実績」でリーマンショック時・コロナショック時の配当実績を基準とします。住友林業は2008年~2010年の配当金が1株あたり15円で増配・減配はないためこの基準も満たしています。

リーマンショックの時期にも配当を継続していたのは安心材料です。コロナ禍でも着実な増配を行い、経済状況に左右されず配当を出し続けていることがわかります。

売上高

売上高とは、企業が商品やサービスを提供して得られる売上合計金額です。営業収益や収益などの呼ばれ方をしている場合もありますが、それらは全て売上高のことを指します。

数値から読み取る売上高

10年間で増加9回、減少2回
20%を超える売上減少あり

住友林業の2011年から2022年の売上高推移はグラフのようになっています。

住友林業過去10年間の売上高推移のグラフ

2011年と2021年の売上高を比較すると約1.73倍です。住友林業の売上高の推移を見ると2011年~2019年までは順調に売上を伸ばしていることがわかります。2020年に決算時期を変更した関係で2020年12月決算の数字は大幅に減少しているように見えますが、通常の3/4の期間であることを考えれば大幅減収とはなっていません。
(0.84兆 × 3/4 = 1.12兆円)

2011年~2021までの10年間で売上高が減少したのは2020年3月決算のみです。

1兆円を超える規模で事業を行い、売上高が1.73倍となっている点は素直にすごいです!

売上高の評価

POINT!

総合評価:△

(売上高の安定性:△ / 売上高の成長性:○)

投資判断基準である「売上の安定性」に関しては△と評価します。2019年~2020年にかけては20%減収しており事業の安定性に関しては多少の不安があります。減収要因について理解を深める必要がありそうです。

もう1つの投資判断基準「売上の成長性」に関しては○と評価します。10年間で売上は1.73倍となっており、2020年の減収後1年で過去最高売上を更新していることが理由です。

EPS

EPSとは、1株あたり純利益のことを指しており、「当期純利益/発行済株式数」という式で表されます。EPSが右肩上がりであれば、それだけでも会社経営としては100点だと言われることもある重要指標です。
※当期純利益とは、企業が1年間をとしてあげた収益から人件費や販管費、税金など全ての費用を差し引いた利益のことです。

数値から読み取るEPS

10年間で増加6回、減少4回
10年間でEPSは約15.7倍に増加

住友林業の2011年から2022年のEPS推移はグラフのようになっています。

住友林業過去10年間のEPS推移のグラフ

住友林業のEPSは2011年と2021年で比較すると約15.7倍に成長しています。配当金が10年間で5.33倍になり、EPSは10年で5.3倍になっているのは十分の一言です。ただし、10年間でEPSが増加6年と減少4年であり、2年連続での減少や減少幅約50%などもあります。

2021度決算で大幅な上昇を見せた理由について更に調べる必要がありそうです

EPSの評価

EPSの成長性:×

投資判断の基準である「EPSの成長性」に関しては×と評価します。パンダが投資判断の基準としている「EPSの成長性」に関しては基準をクリアしていません。10年間で4度のEPS減少に加え、大幅(約50%)な減少があることが理由です。

2022年度決算でも過去最高EPSを更新する予想が出ており、ここ2年間のEPS急上昇理由を調べることで今後の投資判断に影響を及ぼす可能性があります。

営業利益率

営業利益率は、本業がどれくらい効率的に利益を出しているのか知るための指標であり、「営業利益/売上」という式で示すことができます。
※営業利益は、売上から売上原価や販管費などを差し引いた金額です。

数値から見る営業利益率

過去10年で最大8.2%、最低1.79%
2020年、2021年は営業利益率5%以上

住友林業の2011年から2022年の営業利益率推移はグラフのようになっています。

住友林業過去10年間の営業利益率推移のグラフ

2021度決算では営業利益率8.2%と高水準です。2011年の1.79%と比較すると4.58倍に上昇しています。10年間で営業利益率上昇が6回、下落が4回と不安定ながらも2020年度12月決算で5%を超え、2021度は8.2%まで急上昇しました。EPSと同様に2021度に大幅改善されている原因を調べる必要があります。

営業利益率の評価

POINT!

総合評価:○

(営業利益率5%以上:◎ / 営業利益率の成長性:×)

投資判断基準の「営業利益率5%以上」は◎と評価します。2021年度は7.5%の営業利益率を記録しており、2022年度予想も8.8%で過去最高を予定しています。もう1つの投資判断基準である「営業利益率の成長性」に関しては×と判断します。過去10年で営業利益率減少が4回あることが大きな理由です。

成長性は×評価であるものの、すでに7.5%以上の営業利益率であるため総合評価は○とします!

自己資本比率

自己資本比率とは、企業の持つ総資本のうち純資産が占める割合のことを指します。一般的には自己資本比率が高ければ高いほど会社が潰れにくいと考えられています。
例えば総資本100万円の企業の自己資本が100万円であれば、自己資本比率は100%です。総資本100万円の企業の自己資本が50万円、借入金額が50万円の場合は自己資本比率50%です。

数値から読み取る自己資本比率

10年間で増加7回、減少3回
32.1%~37.7%の間で安定して推移

住友林業の2011年から2021年の自己資本比率はグラフのようになっています。

住友林業過去10年間の自己資本比率推移のグラフ

住友林業の自己資本比率は2020年3月期決算の32.1%を下限に、32.1%~37.7%の間で推移しています。
過去10年間は増加7回、減少3回で2020年12月期には過去最高の37.7%を記録しました。

自己資本比率の評価

POINT!

自己資本比率40%以上:△

投資判断基準である「自己資本比率40%以上」に関しては△と評価します。2021年度の自己資本比率は37.7%であり、基準となる40%には届いていません。過去10年間は増減を繰り返しているが2021年度は過去最高を記録しており、今後自己資本比率が40%を超えることを期待しています。

営業活動CF(営業キャッシュフロー)

営業活動CFとは、本業による収入と支出の差額を指します。投資CFや財務CFを含まないため、本業で利益が出ているのかを確認することができます。

数から読み取る営業CF

10年間で赤字なし
10年間で増加8回、減少2回

住友林業の2011年から2021年の営業CF推移はグラフのようになっています。

住友林業過去10年間の営業CF推移のグラフ

2011年から2021年まで赤字はありません。少ない時でも約140億円、多い時では900億円以上の黒字です。10年間は増加7回、減少3回で2011年と2021年を比較すると約5.23倍に増加しています。2015年には前年比約27%まで減少、2018年にも前年比約34%まで減少しており、安定性には欠けることがわかります。

営業CFの評価

POINT!

総合評価:×

(毎年黒字:◎ / 長期的に増加:×)

投資判断基準である「毎年黒字」に関しては◎と評価します。過去10年間で赤字は一度もなく本業で利益を出し続けています。もう1つの投資判断基準である「長期的に増加」に関しては×と判断します。過去10年間で3回以上、営業利益が減少しており長期的に増加しているとは言えません。

2021年には前年比約1.96倍に成長しているものの、2014年と2020年を比較すると増加しておらず、長期的に増加していると言い難いことも理由です。

現金等

現金等とは、現金や換金性の高い資産をどれだけ持っているのかを表す指標です。現金等が前年度と比較して増加していれば、経営状態が良いと判断できます。

数値から読み取る現金等

10年間で増加5回、減少5回
10年間で約4.45倍

住友林業の2011年から2021年の現金等推移はグラフのようになっています。

住友林業過去10年間の現金等推移のグラフ

2021年度は過去最高を大幅に更新しています。2017年から2019年にかけては3年連続で現金等が減少しています。過去10年間において、現金等の増加が5回、減少が5回と増減を繰り返し、約4.45倍に増加しています。

現金等の評価

POINT!

安定して増加:×

投資判断基準である「現金等が安定して増加」に関しては×と評価します。10年間で減少回数5回であることが主な評価理由です。2017年~2019年は3年連続で減少も2020年~2021年は連続で増加しており、今後現金等の安定した増加に期待しています。

まとめ

今回の住友林業は、

  1. ①配当利回り:約5.19%
  2. ②増配回数・減配回数:◎
  3. ③売上高:△
  4. ④EPS:×
  5. ⑤営業利益率:×
  6. ⑥自己資本比率:△
  7. ⑦営業活動CF:×
  8. ⑧現金等:×

という結果でした。

住友林業は、「配当利回り5%以上」「過去10年で減配なし」配当に関しては魅力的である一方で、「EPSの成長性」「営業利益率」「営業活動CF」「現金等」に関してはあまり評価できない銘柄です

しかし、今回は×の評価がついた項目もかなり改善されている傾向があるため注目したい銘柄です。

2021年度決算ではEPSが急激に上昇しており、営業利益率に関しても8.2%を記録しています!