印象的なCM、魅力的な配当利回り”大和ハウス工業”

本日は、高配当株の中でも人気の高い大和ハウス工業について8つの要素を用いて調査していきます。
※本記事のデータは、IR BANKを参照しております。
着目する「8つの要素」とは?
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配当利回り
株式の購入金額に対して年間で受け取ることのできる配当金を表す数値 - 増配回数・減配回数
増配とは前年と比較して配当金が増えることであり、減配とは前年と比較して配当金が減ること - 売上高
企業が商品やサービスを提供して得られる売上合計金額 - EPS
1株あたり純利益 - 営業利益率
本業がどれくらい効率的に利益を出しているのか知るための指標 - 自己資本比率
企業の持つ総資本のうち純資産が占める割合 - 営業活動CF
本業による収入と支出の差額 - 現金等
現金や換金性の高い資産をどれだけ持っているのかを表す指標
大和ハウス工業の評価
まずは大和ハウス工業の評価です!
大和ハウス工業の株式については「購入を検討」と評価しました。
大和ハウス工業は、「配当利回り4.2%以上」「過去10年で減配なし」と配当に関しては魅力的である一方で、「EPSの成長性」「現金等」に関してはあまり評価できない銘柄です。
配当利回り
配当利回りとは、株式の購入金額に対して年間で受け取ることのできる配当金を表す数値であり、「配当利回り=年間配当金/株式購入金額*100」という式で表されます。
2022年12月10日時点、大和ハウス工業の予想配当利回りは、約4.20%です!
※2023年予想配当金額130円、2022年12月10日終値3,092円で計算しています。
高配当株の基準とされる税引前配当利回り3.75%(税引後配当利回り3.00%)を上回る水準です。
StockPandaでは基本的に税引前配当利回り3.75%(税引後配当利回り3.00%)を目安に投資判断をしており、大和ハウス工業の配当利回りは十分に基準を満たします。
増配回数・減配回数
増配とは前年と比較して配当金が増えることであり、減配とは前年と比較して配当金が減ることを指します。
数値から読み取る増配・減配
2012年~2022年の10年間毎年増配と順調に増配
具体的な大和ハウス工業の2013年から2022年の配当金推移はグラフのようになっています。
2012年~2022年の10年間で増配回数10回と毎年増配を実施しています。2023年も増配を予定しており、1株あたり配当は130円の予想です。

2012年と2023年(予想)を比較すると約5.04倍へと成長しています!
10年連続増配を実施しているため、今後も継続した増配を期待しています。
増配・減配の評価
POINT!
総合評価:○
(10年間での減配実績なし:◎ / 恐慌時の安定配当実績:○)
投資の判断基準の1つである「10年間減配なし」は◎の評価です。10年連続で増配を実施しており文句なしの内容です。
もう1つの指標である「恐慌時の安定配当実績」は、リーマンショック時・コロナショック時の配当実績を基準とします。2009年は1株あたり24円で配当金を維持しましたが、翌2010年に1株あたり17円への減配を実施しています。コロナショックの期間は増配を実施したため、「恐慌時の安定配当実績」は○と評価します。
売上高
売上高とは、企業が商品やサービスを提供して得られる売上合計金額です。営業収益や収益などの呼ばれ方をしている場合もあるが、それらは全て売上高のことを指します。
数値から読み取る売上高
10年間で増加9回、減少1回
10年間で約2.4倍へと成長
大和ハウス工業の2012年から2022年の売上高推移はグラフのようになっています。
売上高は10年間で増加9回、減少1回、2012年と2022年の売上高を比較すると約2.4倍へ成長しています。2021年の決算では売上が約5.7%減少も2022年の決算で過去最高を記録しているためコロナショックからの立ち直りも早かったと判断できます。
売上高の評価
POINT!
総合評価:○
(売上高の安定性:○ / 売上高の成長性:○)
投資判断基準である「売上の安定性」に関しては○と評価します。10年間で減少は1度ですが、2021年に約5.7%の減少を記録しているため○の判断です。もう1つの投資判断基準「売上の成長性」に関しても○と評価します。

10年間で売上は約2.4倍となっており、長期的には十分な成長です!
EPS
EPSとは、1株あたり純利益のことを指しており、「当期純利益/発行済株式数」という式で表されます。EPSが右肩上がりであれば、それだけでも会社経営としては100点だと言われることもある重要指標です。
※当期純利益とは、企業が1年間をとしてあげた収益から人件費や販管費、税金など全ての費用を差し引いた利益のこと。
数値から読み取るEPS
10年間で増加7回、減少3回
10年間でEPSは約6.21倍に増加
大和ハウス工業の2012年から2022年のEPS推移はグラフのようになっています。
10年間で増加7回、減少3回、2012年と2022年を比較すると6.21倍へと成長しています。減少率は「2016年12.0%、2020年1.5%、2021年15.5%」で10%以上の減少が2回あります。また2020年、2021年は連続でEPSが減少しています。
EPSの評価
EPSの成長性:×
投資判断の基準である「EPSの成長性」に関しては×と評価します。2020年、2021年と連続でEPSが減少している点と2019年の過去最高を更新できていないことが理由です。
営業利益率
営業利益率は、本業がどれくらい効率的に利益を出しているのか知るための指標であり、「営業利益/売上」という式で示すことができます。
※営業利益は、売上から売上原価や販管費などを差し引いた金額。
数値から見る営業利益率
10年間で最大9.14%、最低6.06%
2012年以降、常に5%以上
2016年以降、常に7.5%以上
大和ハウス工業の2012年から2022年の営業利益率推移はグラフのようになっています。
営業利益率は増加5回、減少5回、2012年と2022年を比較すると約1.39倍に成長しています。2022年は営業利益率8.63%と非常に高水準であるものの、2018年に過去最高(9.14%)を記録して以降は2022年まで減少傾向です。
営業利益率の評価
POINT!
総合評価:○
(営業利益率5%以上:◎ / 営業利益率の成長性:×)
投資判断基準の「営業利益率5%以上」は◎と評価します。2016年以降常に7.5%以上の営業利益率を維持しており、2022年も8.63%と高水準です。もう1つの投資判断基準である「営業利益率」に関しては×と判断します。2018年を過去最高として減少傾向であり、成長しているとは言えません。

また過去10年で営業利益率減少が5回あることも大きな理由となりそうです
自己資本比率
自己資本比率とは、企業の持つ総資本のうち純資産が占める割合のことを指します。一般的には自己資本比率が高ければ高いほど会社が潰れにくいと考えられています。
例えば総資本100万円の企業の自己資本が100万円であれば、自己資本比率は100%です。総資本100万円の企業の自己資本が50万円、借入金額が50万円の場合は自己資本比率50%です。
数値から読み取る自己資本比率
10年間で増加5回、減少5回
30.9%~37.3%の間で安定して推移
大和ハウス工業の2012年から2022年の自己資本比率はグラフのようになっています。
自己資本比率は増加5回、減少5回。2014年に+6.1%の大幅増を記録しましたが、その後は36.3%~37.3%の間で増減を繰り返しています。2020年には直近10年で最高の37.3%を記録していますが、自己資本比率が40%を超えた年はありません。
自己資本比率の評価
POINT!
自己資本比率40%以上:△
投資判断基準である「自己資本比率40%以上」に関しては△と評価します。2022年の自己資本比率は36.6%であり、基準となる40%には届いていません。2014年以降は+-1%で増減を繰り返しています。

今後も40%を超えるか注目だね!
自己資本比率40%以上は目指さないという経営判断の可能性もあるため、別途大和ハウス工業のIR情報などを調べる必要がありそうです。
営業活動CF(営業キャッシュフロー)
営業活動CFとは、本業による収入と支出の差額を指します。投資CFや財務CFを含まないため、本業で利益が出ているのかを確認することができます。
数から読み取る営業CF
10年間で赤字なし
10年間で増加5回、減少5回
大和ハウス工業の2012年から2022年の営業CF推移はグラフのようになっています。
2012年から2021年まで赤字はありません。2012年と2022年を比較すると営業CFは約1.35倍へと成長しているが、増減幅が大きく安定して増加しているとは言えません。例えば2012年と2020年を比較すると営業CFは減少しています。
営業CFの評価
POINT!
総合評価:△
(毎年黒字:◎ / 長期的に増加:×)
投資判断基準である「毎年黒字」に関しては◎と評価します。過去10年間で赤字は一度もなく本業で利益を出し続けています。もう1つの投資判断基準である「長期的に増加」に関しては×と判断します。過去10年間で3回以上、営業利益が減少しており長期的に増加しているとは言えません。
現金等
現金等とは、現金や換金性の高い資産をどれだけ持っているのかを表す指標です。現金等が前年度と比較して増加していれば、経営状態が良いと判断できます。
数値から読み取る現金等
10年間で増加4回、減少6回
10年間で約1.31倍
大和ハウス工業の2012年から2022年の現金等推移はグラフのようになっています。
10年間で増加4回、減少6回、2012年と2022年を比較すると約1.31倍に増加しています。2018年に約52.9%、2021年に約50.8%の大幅増を記録したことで10年間の合計は+となっていますが、現金等は減少する年が多いことがわかります。
現金等の評価
安定して増加:×
投資判断基準である「現金等が安定して増加」に関しては×と評価します。10年間で減少回数6回であることが主な評価理由です。
現金等が増加した2018年、2020年は大幅な増加となっていることから、現金等に関する経営陣の方針を確認する必要がありそうです。最低限の保有額を決めており、基準を下回らない場合には現金保有を増やさない可能性もあります。
まとめ
今回の大和ハウス工業は、
- ①配当利回り:約4.20%
- ②増配回数・減配回数:○
- ③売上高:○
- ④EPS:×
- ⑤営業利益率:○
- ⑥自己資本比率:△
- ⑦営業活動CF:△
- ⑧現金等:×
という結果でした。
大和ハウス工業は、「配当利回り4.2%以上」「過去10年で減配なし」と配当に関しては魅力的である一方で、「EPSの成長性」「現金等」に関してはあまり評価できない銘柄です。
配当利回り4.20%は100万円を投資していれば、税引前で約42,000円の配当金を得られる計算です!