働き方を大変革!配当金は変わらず増加!?“日本電信電話“

本日は、高配当株の中でも人気の高い日本電信電話(NTT)について8つの要素を用いて調査していきます。
※本記事のデータは、IR BANKを参照しております。
着目する「8つの要素」とは?
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配当利回り
株式の購入金額に対して年間で受け取ることのできる配当金を表す数値 - 増配回数・減配回数
増配とは前年と比較して配当金が増えることであり、減配とは前年と比較して配当金が減ること - 売上高
企業が商品やサービスを提供して得られる売上合計金額 - EPS
1株あたり純利益 - 営業利益率
本業がどれくらい効率的に利益を出しているのか知るための指標 - 自己資本比率
企業の持つ総資本のうち純資産が占める割合 - 営業活動CF
本業による収入と支出の差額 - 現金等
現金や換金性の高い資産をどれだけ持っているのかを表す指標
日本電信電話(NTT)の評価
まずは日本電信電話(NTT)の評価です!
日本電信電話(NTT)は、合計点数18点で「購入を検討」と判断。
現在は配当利回りが3.20%であり、高配当株の水準である3.75%を満たす1株3,200円あたりで購入したい銘柄です。
懸念点として、
- 自己資本比率が40%未満
- 営業CFが長期的に増加していない
- 現金等が長期的に減少傾向
の3点があります。
配当利回り
配当利回りとは、株式の購入金額に対して年間で受け取ることのできる配当金を表す数値であり、「配当利回り=年間配当金/株式購入金額*100」という式で表されます。
2023年1月6日時点、日本電信電話(NTT)の予想配当利回りは、約3.20%です!
※2023年予想配当金額120円、2023年1月6日終値3,741円で計算しました。
高配当株の基準とされる税引前配当利回り3.75%(税引後配当利回り3.00%)を下回る水準。配当利回り3.20%は100万円を投資していれば、税引前で約32,000円の配当金を得られる計算になります。
基本的に税引前配当利回り3.75%(税引後配当利回り3.00%)を目安に投資判断をしており、日本電信電話(NTT)の配当利回りは基準を満たしていません。株価が3,200円を下回れば配当利回り3.75%を超えます。
増配回数・減配回数
増配とは前年と比較して配当金が増えることであり、減配とは前年と比較して配当金が減ることを指します。
数値から読み取る増配・減配
10年間で増配10回と順調に増配
具体的な日本電信電話(NTT)の2012年から2022年の配当金推移はグラフのようになっています。
2012年~2022年の10年間で増配回数10回と毎年増配しており、2023年は2022年から増配して1株あたり120円の配当を予想しています。2012年と2023年の配当金を比較すると3.43倍へと成長しており、2022年まで10年間連続で前年比+5%以上の増配を実施しています。
増配・減配の評価
POINT!
総合評価:◎
(10年間での減配実績なし:◎ / 恐慌時の安定配当実績:◎)
投資の判断基準の1つである「10年間減配なし」に関しては◎と評価します。10年連続で増配をしており、投資するには十分すぎる銘柄です。もう1つの指標である「恐慌時の安定配当実績」に関しても◎と評価します。リーマンショック時の2009年は1株あたり配当55円で2008年の1株あたり配当45円から増配しました。2010年以降も減配はなく、恐慌時も安定して配当を実施しています。(参照:配当金チェッカー)
10年連続増配だけでなく、恐慌時にも安定して増配を実施していることから今後も期待できる銘柄だと評価しました。
売上高
売上高とは、企業が商品やサービスを提供して得られる売上合計金額です。営業収益や収益などの呼ばれ方をしている場合もありますが、それらは全て売上高のことを指します。
数値から読み取る売上高
10年間で増加9回、減少1回
10年間で約1.16倍へ成長
日本電信電話(NTT)の2012年から2022年の売上高推移はグラフのようになっています。
売上高は10年間で増加9回、減少1回です。表からは「2020/03,2021/03」の増減が読み取れないため別途資料(2019年度決算資料,2020年度決算資料)で増減を確認したところ、2年ともに増加していました。2017年に約1%の減少を記録した以外は常に増収しており、2012年と2022年を比較すると売上高は1.16倍へと成長しています。
売上高の評価
POINT!
総合評価:◎
(売上高の安定性:◎ / 売上高の成長性:○)
投資判断基準である「売上の安定性」に関しては◎と評価します。過去10年で9回売上が増加しており、5%以上の売上減少は1度もないことが理由です。もう1つの投資判断基準「売上の成長性」に関しては○と評価します。10年間で売上は1.16倍となっており、2017年の減収後1年で過去最高売上を更新していることが理由です。
EPS
EPSとは、1株あたり純利益のことを指しており、「当期純利益/発行済株式数」という式で表されます。EPSが右肩上がりであれば、それだけでも会社経営としては100点だと言われることもある重要指標です。
※当期純利益とは、企業が1年間をとしてあげた収益から人件費や販管費、税金など全ての費用を差し引いた利益のことです。
数値から読み取るEPS
10年間で増加8回、減少2回
10年間でEPSは約3.90倍へと成長
日本電信電話(NTT)の2012年から2022年のEPS推移はグラフのようになっています。
EPSは10年間で増加8回、減少2回で2012年と2022年を比較すると約3.90倍に成長しています。2015年は6.98%、2019年は2.13%の減少を記録していますが、2年連続での減少は1度もなく、減少した次の年は常に過去最高を更新しています。
EPSの評価
POINT!
EPSの成長性:○
投資判断の基準である「EPSの成長性」に関しては○と評価します。過去10年で減少2回だが、2年連続での減少がないことに加え、減少した次の年には過去最高を更新していることが理由です。
営業利益率
営業利益率は、本業がどれくらい効率的に利益を出しているのか知るための指標であり、「営業利益/売上」という式で示すことができます。
※営業利益は、売上から売上原価や販管費などを差し引いた金額です。
数値から見る営業利益率
10年間で増加6回、減少4回
常に7.5%以上を記録
日本電信電話(NTT)の2012年から2022年の営業利益率推移はグラフのようになっています。
※2012/03はIRBANKではなく、日経XTECHの記事を参照。
営業利益率は10年間で増加6回、減少4回で2012年と2022年を比較すると約1.25倍に成長しています。2013年~2015年は3年連続で減少しましたが、2016年~2019年は4年連続で増加し、2022年は過去最高の営業利益率を記録しています。2015年を除く10年間で2桁の営業利益率を記録しており非常に高水準を維持し続けています。
営業利益率の評価
POINT!
総合評価:○
(営業利益率5%以上:◎ / 営業利益率の成長性:×)
投資判断基準の「営業利益率5%以上」は◎と評価しました。10年間で常に7.5%を超える営業利益率を記録しており文句なしの評価です。もう1つの投資判断基準である「営業利益率の成長性」に関しては×と判断しました。2022年は10年間で最高を記録していますが、減少が4回あるため×の判断です。
営業利益率の成長性に関しては×評価ですが、すでに営業利益率が高い水準にあるため総合評価は○と判断しました。
2013年~2015年の3年間は下降トレンドであったものの、その後は増加トレンドを形成しています。

2020年に1度減少を記録したが2021年、2022年と増加を記録しているため、今後も営業利益率増加に期待です
自己資本比率
自己資本比率とは、企業の持つ総資本のうち純資産が占める割合のことを指します。一般的には自己資本比率が高ければ高いほど会社が潰れにくいと考えられています。
例えば総資本100万円の企業の自己資本が100万円であれば、自己資本比率は100%です。総資本100万円の企業の自己資本が50万円、借入金額が50万円の場合は自己資本比率50%です。
数値から読み取る自己資本比率
10年間で増加4回、減少6回
2020年、自己資本比率は40%以下へ減少
日本電信電話(NTT)の2012年から2022年の自己資本比率はグラフのようになっています。
10年間で増加4回、減少6回です。2020年に40%の水準を下回り、2021年は前年比約-6.5%の減少を記録しました。2022年は前年比+1.8%を記録しましたが、40%を上回ることはできませんでした。
自己資本比率の評価
自己資本比率40%以上:△
投資判断基準である「自己資本比率40%以上」に関しては△と評価します。2012年~2022年の平均自己資本比率は40%程度ですが、2022年の自己資本比率は34.7%であり投資判断基準である40%に達していないことが理由です。。
2021年に大幅な自己資本比率減少があるため理由を調べる必要がありそうです。

総額4.3兆円のNTTドコモ買収に伴い自己資本比率が低下した可能性はありそうですね…
営業活動CF(営業キャッシュフロー)
営業活動CFとは、本業による収入と支出の差額を指します。投資CFや財務CFを含まないため、本業で利益が出ているのかを確認することができます。
数から読み取る営業CF
10年間で赤字なし
10年間で約1.20倍へと増加
日本電信電話(NTT)の2012年から2022年の営業CF推移はグラフのようになっています。
営業CFは10年連続黒字です。2012年と2022年を比較すると、増加6回、減少4回を通して約1.20倍へと成長しました。しかし、2015年、2018年は前年比10%以上の減少を記録しています。
※2022/03は「NTT2021年度決算資料」で増加を確認しています。
営業CFの評価
POINT!
総合評価:△
(毎年黒字:◎ / 長期的に増加:×)
投資判断基準である「毎年黒字」に関しては◎と評価します。過去10年間で赤字は一度もなく本業で利益を出し続けています。もう1つの投資判断基準である「長期的に増加」に関しては×と判断します。過去10年間で減少4回(内10%以上の減少2回)を記録しており、長期的に増加しているとは言えません。
現金等
現金等とは、現金や換金性の高い資産をどれだけ持っているのかを表す指標です。現金等が前年度と比較して増加していれば、経営状態が良いと判断できます。
数値から読み取る現金等
10年間で増加4回、減少6回
10年間で約0.81倍へと減少
日本電信電話(NTT)の2012年から2022年の現金等推移はグラフのようになっています。
10年間で増加4回、減少6回で2012年と2022年を比較すると約0.81倍へと減少しています。2015年、2018年、2022年は10%を超える減少幅を記録しており、2022年は過去10年で最小の現金等保有額です。
現金等の評価
POINT!
安定して増加:×
投資判断基準である「現金等が安定して増加」に関しては×と評価します。10年前と比較して減少しているため×の評価です。
まとめ
今回の日本電信電話(NTT)は、
- 配当利回り:約3.20%
- 増配回数・減配回数:◎
- 売上高:◎
- EPS:○
- 営業利益率:○
- 自己資本比率:△
- 営業活動CF:△
- 現金等:×
という結果でした。
日本電信電話(NTT)は、合計点数18点で「購入を検討」と判断しました。現在は配当利回りが3.20%であり、高配当株の水準である3.75%を満たす1株3,200円あたりで購入したい銘柄です。
懸念点として、「自己資本比率が40%未満」「営業CFが長期的に増加していない」「現金等が長期的に減少傾向」の3点がある。これらの数値に改善が見られれば購入していきたい銘柄です。
積極的な事業投資を行うことでEPSが減少している可能性があるため、EPSの減少要因については調べる必要がありそうです